ナースマン カチョウ君の日常

どこにでもいるナースマンの日常を描いたブログです

新型コロナ感染症 看護について①

新型コロナ感染症(以下、新型コロナ)は世界的流行が起こっており、日増しに患者が増加しています。

 

東京都内だけでも、4000床を確保しているようです。

www.mhlw.go.jp

 

さて、新型コロナの病態が少しずつわかって来ていますが、看護の提供については病院によって様々だと思います。

 

『看護に答えはない』と個人的に考えていますが、私個人が新型コロナ患者への看護で気を付けていることを少し振り返りも含めて書きました。

 

まず、【観察】

看護の基本中の基本ですが、まずは観察です。新型コロナは、急変リスクがありますが、急変時はあっという間に状態が悪化するため状態変化が起きていないか観察を行います。また、自覚症状を含めどんな症状があらわれているのかのデータを集めることは疾患の特徴的症状を知る上では必要なことだと考えます

では、どんな観察をするのか。今は自覚症状として、咳や鼻水などのいわゆる風邪症状のほかに「味覚障害」「嗅覚障害」「下痢」「呼吸苦」「倦怠感」「チアノーゼ」「せん妄」「幻覚」「不眠」をまず見ています。この他に患者の症状に合わせて観察項目を設定して経過を追っています。

 

新型コロナの患者さんは酸素飽和度(SpO2)が90%を切っていても呼吸苦がない事例を何例も見てきました。健康な人ならすごく苦しいと思います。ただ、これは新型コロナでは特に特徴的なところだと感じています。(COPDなどの既往によってSpO2の基準は変わるため医師に確認する必要は当然あります)

 

●味覚・嗅覚障害は人によってまだらで、全く感じない人もいれば一部感じないなど個人差があるようです。

●下痢は比較的多く感じます。なぜなのかはわかりません。ですが、個人的に見てきた患者さんは下痢を経験している人が多かったように感じています。下痢があるから新型コロナとは思いませんが、あまり続く場合には栄養が取れていない可能性や脱水、電解質異常の可能性もあるため経過を見ています。

●幻覚、せん妄、不眠は、高齢者が増えたこともあり、入院による環境の変化や肺炎による呼吸苦などで幻覚やせん妄状態になる患者さんはいます。また、入院生活は暇です。無症状の人であればなおさら暇です。そして、活動範囲も限られるため昼間寝て夜寝れず、不眠となるという生活リズムが崩れる可能性はあります。また、高齢者の場合にはこれもせん妄の要因になりあます。